春琴抄(谷崎潤一郎)を読んだ

kindleは偉大だ。Kindle Paperwhiteを買ってから僕の生活は一変した。寝る前の読書がこんなに楽しいと思ったのは初めてである。先日もノリノリで次に買う本を探していたら、リコメンドコーナーにこれを発見した。タイトルに惹かれて購入。谷崎は初めて。

 

幼くして盲目となった三味線の名手である春琴と、彼女の丁稚として、また弟子として寄り添い続ける佐助の話。究極の愛がここにはあった。

佐助は10代の頃から丁稚として春琴の身の回りの世話をし、その後弟子となる。泣き出すほどの厳しい稽古にも佐助は必死で喰らいつき、稽古以外では手厚く身の回りの世話をした。後に夫婦同然の暮らしをするようになるが、春琴は弟子と結婚なぞしないと言うし、佐助の方は師匠様と結婚など恐れ多いと否定する、といった関係であった。

器量が良く三味線も抜群にうまい春琴だが、気性が荒く人に恨まれる事が多かった。そしてある晩彼女は何者かに襲われ、ひどい姿にされてしまう。顔を見られることを嫌がる師匠を想い、佐助はとんでもないことをするのだ。そして、

佐助「もう一生涯お顔を見ることはござりませぬ」
(中略)
春琴「今の姿を他の人には見られてもお前にだけは見られとうない」

究極の愛とはこれである。つまり昔話的いい話。

 

わざとそうしたのだろうが、 文章中に句読点が圧倒的に少ない。これには最初は戸惑うかもしれない。しかしリズムが取りやすいので、スイスイ読めてしまうと思う。

漱石全集(岩波書店)のすゝめ

漱石全集にハマっている。

 

文庫版でなくなぜ全集にハマっているかというと、岩波の漱石全集は注解が秀逸だからだ。当時のモノ・場所・人・政治などについてくどいほど丁寧に解説されているし、漱石独特の当て字や原稿の訂正箇所まで細かく説明があるのだ。過去に漱石の作品は全て読んだことがあったが、この素晴らしい注解をふまえて読むと新しい発見がいくつもあり、より深く楽しむことが出来た。

注解が1ページに数個あるので、すらすらと気軽に読みたい方には向かないかもしれない。これは漱石好きのための全集なのだ(そもそも全集とはそうあるべきのような気もする)。

既に絶版となっているため、中古品としてしか手に入れられないのが辛い所だが、漱石好きの方にはぜひ読んで頂きたい。1960年代と1990年-2000年代出版の2種類存在するようだが、後者には栞紐が二つ付いているので、そちらがオススメだ。

旅館で読書

本を読みたい。他の事は何も考えずに、静かで景色のいい窓辺のソファに座って一日中本を読んでいたい。この願いを叶えてくれる旅館を探している。僕は本気だ。このために有給まで取得したのだ。

Webで検索すると旅館が山の ようにヒットする。静かな旅館、景色の良い旅館、客室露天風呂付き等々……。多すぎて決められない。まとめ等で紹介されてるようなある程度有名な旅館はやっぱり条件が良いのだが、そのほとんどは予約しようにも既に満室なのである。紅葉シーズンということもあって難易度も上がっていると思われる。

なかなか決められない。優柔不断を直したい。